パーソナルカラー診断で、変わらなかったケース②【服装心理診断】
わたしの大切な親友、Tさんの話をします。
ケース①はコチラ↓
服装心理診断についての前ブログの記事です↓
Tさんとは、もとは同じ会社で働いていました。年はTさんが2つ上、2か月違いで中途入社したのをきっかけに出会い、すぐに仲良くなりました。
同じ店舗で働いたことはなかったものの、仕事のつらさを分かち合ったり、二人で毎年のように旅行したり…お互い会社を辞めた今も、何でも話せる間柄です。
話は昨年の夏に遡ります。
8月にスタイリストスクールの発表会があり、生身のモデルさんをコーディネートしなくてはなりませんでした。信頼している彼女にお願いしたところ、「私なんかでいいの?他にいい人がいたらいつでも言ってね!」と謙遜されながらも引き受けてもらえました。
Tさんの普段のコーデはかなりシンプルでカジュアル。アースカラーやモノトーン、特に黒が多いです(でもオシャレじゃないわけじゃなく、今どきのオシャレなブランドで洋服を買っています)。
ある日お宅にお邪魔し、発表会で使えるものはないかとクローゼットを見せてもらったのですが、意外と色んな色やデザインの洋服をあれこれと持っていました。
しかし、着ているのはいつも同じ服ばかりとのこと。試しに買ってみたものの、着ていない服がコレとコレと…とたくさんあるようでした。
パーソナルカラー診断の結果はサマー(体型と顔パーツの診断はすでに済ませていました)。後日二人で買い物に行き、淡いグレージュのブラウス、その下に同じトーンのピンクパープルのキャミソールを重ね、ボトムはラベンダー色のロングスカートを選びました。入賞はできませんでしたが、とても似合っていましたし、何よりTさんが協力的だったおかげで、発表会は無事終わりました。
◆◆◆
発表会の一か月ほど後のこと。久しぶりに会いたいねと二人で遊んだのですが、Tさんはサマーらしい色の服を着ているでもなく、いつものモノトーンコーデでした。
私は聞いてみました。
「発表会の時のスカート、あれからも着ましたか?」と。
答えはノーでした。
そのあとも2回ほど会いましたが、着ている色は、やっぱりモノトーンかアースカラー。
これは…と思い、スクールで習ったばかりの「服装心理診断」を受けてもらったところ、「一般性」の点数が最も高かったのでした。
◆◆◆
「一般性」が高い人は、自分に自信を持てない方が多く、服選びも人の目を気にしてしまいます。
これを着て目立ち過ぎたり、浮いたりしないか。張り切っちゃって…と嘲笑されてしまわないか…
そのため、目立たない地味な色の洋服を選ぶ方が、とても多いそう。
さらに親友による私調べだと、Tさんの口癖ナンバーワンは「私なんか」。「どうせ」。プライベートのことでも仕事のことでも、この枕詞がよくつきます。
自信がないのは前から感じていたし、診断の結果もその通りだったけど、どうしてその思考になってしまうのか?
地味な色から離れようとしても離れられないのは、なぜなのか?
私はどうしても気になり、先日Tさんと食事に行った際、決して責めているわけではないし、ブログのネタにしたいだけだから(オイ)と、前置きして聞いてみました。
●色んな服を買ってみたりしているし、パーソナルカラーもわかったのに、なぜ着る色がずっと変わらないのか。目が大きくて笑顔もかわいいし、友達多いしモテるし、選ぶ洋服もセンスいいと思っていると、ことあるごとに伝えてきたのに、どうしてそんなに自信が持てないのか?
●旅行へ行ったとき、街の食堂で名物を食べようとしたところ、どのメニューもその地域を代表するものだったのに、「オススメは何ですか?」と店の人に聞いていたので、もしかして自分で決定することが苦手なのではないか?
すると、
「似合う色・しっくりくる色を見つけようと挑戦はしてみるが、やはりしっくりこないし落ち着かなくて不安になり、結局否定的になってしまって着なくなってしまうので、自分の主観でそれを見つけられていない」
とのこと。
さらにしつこく質問を重ねると、
『母は、私が何か新しい事をしようとすると、「うまく行かないんじゃ」「やめた方がいいんじゃないの」と何でも否定から入ることばかりだった』
「小学生の頃は、洋服は全て母が買ってきて、自分で着たいものを選んだことがなかった。いつも気に入らない服ばかりで、実は学校に行くのがとてもイヤだった」
「母とは、娘としてかわいがられるというより、友達ではないけど、一人の人間と人間のような関係だった気がする」
と話してくれました。
なるほど…私はTさんのお母様のお話もよく聞くし、実際お会いしたこともあるのですが、フルタイムで働きつつジムに通ったり、サバサバして明るい方のようでした。親子関係が特に悪いようにも見えません。
しかし、子供の頃に
・自分の好きな物を自分で選ぶ
・それを親に認めてもらえる
こういった経験が少ないと、自分自身や、自分の選択にOKを出す、ということができづらくなるのかな…と思いました。
◆◆◆
Tさんのような方って、意外と多いのではないかと思います。
いつも同じ服ばかりになってしまって、変わった方がいいと思うけれど、なかなか変われない。
こんな方には、ムリヤリ心の扉をこじ開けて、「過去の自分と向き合って、自己肯定感を上げて、明るい色にチャレンジしましょう!」ではなく、
「少しでも変わりたいと思うのなら、パーソナルカラーの中でも印象が控えめな色や、色はモノトーンでも、デザインや素材が似合うもの・こだわっているものから始めてみませんか」
とアドバイスするのがいいのかなと思います。
実際Tさんも、 洋服の画像を見せ、くすみの強いダスティピンクとベージュの組み合わせのコーデはどうかと聞いたところ、これなら着られそう、と言っていました。
さらに、自分以外のプロや信頼している人が似合いますよ、と太鼓判を押したものなら、着てみようかと思うかも、とも。Tさんは愛着性も高かったので、それも納得です。雑誌やSNSで情報を得るより、信頼できるパーソナルスタイリストを見つけ、思い切って任せるのもいいのかもしれませんね。
私はいつでも相談ウェルカムなんですが、これまた一般性と愛着性の高さによって、「忙しそうだし、私のために時間を割いてもらうのも悪いな…」と思っているのかもしれません。どちらも、良くも悪くも他人のことをまず考える性質だからですね。Tさん読んでますか?ぜんぜん責めてませんし、いつでも相談に乗りますからねーー!!笑
◆◆◆
服装心理診断は、性格を直して似合うファッションをしよう、ではなく、【自分の性質を知って、心から納得できるファッションを選べるようになる】ためのもの、と思います。
これを受けてもらうことで、ファッションのお悩みをこじらせてしまっている方が、自分自身を否定することなく、スッキリ楽しく洋服を選ぶことができたらいいな、と改めて思うのでした。
今回はここまで!読んで下さりありがとうございます。
※「服装心理診断」は、㈳日本服装心理学協会の著作物です。